Sig’s Book Diary

関心本の収集

『西の魔女が死んだ』

original: http://blog.goo.ne.jp/sig_s/e/12bb6b02d0be408f54dae70ce4469530
梨木 香歩、2001、『西の魔女が死んだ』、新潮社 (新潮文庫)

思春期前期の少女の成長を祖母との交流の中に描く。学校に行きたくないと宣言した主人公のまいは、母と相談して、祖母のもとに送られる。祖母はイギリス人だが日本人の祖父と結婚して祖父が亡くなってからも日本の自然に囲まれて一人で生活している。彼女は自らを魔女という。本当に魔女かどうかは解らないが、魔女としての心得を孫娘のまいに語る。
やがて、単身赴任していた父のもとに仕事を辞めた母とともに合流することになって、直前に起きた出来事で祖母との感情の行き違いをそのままにしたまま、祖母のもとを離れるのだが、二年後、祖母が亡くなったという知らせ。母とともにまいはかけつけるが、彼女は「西の魔女」こと祖母の魂が身体を離れるに際して残したメッセージをみつける。そして、「東の魔女」であるまいは、さらに成長をするのだ。
自由に生きると同時に他人との関係をうまく築く、『西の魔女が死んだ』に添えられるもう一編の「わたりの一日」は、その後のまいの成長をつげている。

本書をよんで、子供の頃おきた出来事、様々なことが思い出されてきた。おとなも子供も(といって、あまり子供すぎても解りにくいが)、ぜひぜひ読むべし。