Sig’s Book Diary

関心本の収集

『戸塚教授の「科学入門」 E=mc2 は美しい!』

original: http://blog.goo.ne.jp/sig_s/e/1deb1d12718b63a4ec04a3affc3dbe10

戸塚 洋二、2008、『戸塚教授の「科学入門」 E=mc2 は美しい!』、講談社

本書は今夏7月に逝去された戸塚洋二さんのブログに残された遺稿や講演録をもとに編集された「最終講義」である。
数式も使って素粒子物理学の現在も語られていて、その分取っ付きも悪いのだが、最悪、その部分は、それとして読み飛ばしてもよいだろう。戸塚氏の最晩年語りたかったことは、物理学徒を増やそうというよりも、むしろ、科学的思考の重要性や魅力ではなかったか。
戸塚氏は、アメリカの理論物理学者の文章を引きながら、「できそうだと思われることを見つけるだけだったら、全然面白くない」、あるいは、「どういう風に質問していいかわからないような発見でなければ」、また「想像もしないような対象物を測ることが発見の醍醐味がないのだ」という。そして、最終ページの遺影の下には自筆(らしの)の「大宇宙は数限りないニュートリノを住まわせるが大宇宙のなかでニュートリノが果たしている役割はその片鱗さえわかっていない」という言葉が記されている。

読書と夕食:『追悼 戸塚洋二先生 かくて伝統はつくられた』を読んで:http://blog.goo.ne.jp/sig_s/e/22cc4b8f829db78549704d7ad91deb46

戸塚教授の「科学入門」 E=mc2 は美しい!

戸塚教授の「科学入門」 E=mc2 は美しい!