『魯山人の美食』
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山田和、2008、『魯山人の美食:食の天才の献立』、平凡社新書
1998年に松坂屋美術館(巡回展)で開催された「北大路魯山人展」を見たのをきっかけに、何冊か魯山人についての本を買って読んだことがある。魯山人展は、陶器と書画が展示されていて、アーティストとしての彼に焦点が当てられていたが、その作品は、彼自身が料理の腕を振るった高級料亭「星岡茶寮」で使用するのを前提に制作されたものであったという。
買ったものの一冊が、魯山人の生誕百周年記念特集と銘打たれた別冊太陽の『北大路魯山人:美味求真の生涯』であった。こちらは、魯山人の年譜や陶器書画などの作品、器に盛られた魯山人好みの料理の写真、かれに関する対談などが盛りだくさんに書かれていて、all about Rosanjinの呈であった。
本書は、魯山人ゆかりの父をもつ作者が、その裏話も交えながら、魯山人の料理のヒントを伝えていて興味深い。魯山人の美食追求は、旬のおいしい材料を惜しげもなく求めるのは、少々無理があるにせよ、買い集めた材料を魯山人のレシピをつかって再現するのもまた、面白かろう。
本書に記録されているレシピは、ヒント満載である。本書を読む間に「すき焼き」をつくったが、魯山人が下々とする作り方であったかと・・・。ともあれ、たまには、レシピを時にはひもといてみようか。
- 作者: 山田和
- 出版社/メーカー: 平凡社
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