Sig’s Book Diary

関心本の収集

『クマムシ?!:小さな怪物 』

original: http://blog.goo.ne.jp/sig_s/e/4faa56b5baf05f0ea8cb9d55713e7280

鈴木 忠、2006、『クマムシ?!:小さな怪物 』、岩波書店(岩波 科学ライブラリー)

クマムシの現物は顕微鏡をのぞいたことがないので、もちろん見たことがない。しかし、本書を読んで見ると顕微鏡をのぞいてクマムシを探して、「マイ・クマムシ」を見つけたくなるのではないか。
クマムシは、緩歩動物門の動物で、たくさんの種類がいるらしい。人類は脊索動物門に属していて、進化のごくごく初期に分化した動物らしい。詳しくは本書を読んでもらうしかないのだが、謎めいた顕微鏡レベルのサイズのクマムシについてその謎のいくつかを教えてくれる本書はクマムシについて日本語で書かれた最初の本だそうである。
先日、感想を書いた『人類が消えた世界』の第4部と同じようなことばで締めくくられているのだが、人間にとってクマムシは少なくとも目に留まることはないし、利害はおそらく全くない。そして、「樽」とよばれる形態になって「乾眠」にはいり、長時間たっても水分を得ると再び動き出すクマムシは、人間が地球に「致命的」ともみえる環境変化を引き起こしたとしても、ひょっとして関係なく生き続けることができるのかもしれない。月並みな感想かもしれないが、地球の懐の深さの象徴のひとつがクマムシのように思えてならない。

同居人に釘を刺されたのだが、「まさか、クマムシを飼いたいなんていうんじゃないんでしょうね」、でも、心動いたことは確かだ。本書の付録に観察の仕方が書いてある。

クマムシ?!―小さな怪物 (岩波 科学ライブラリー)

クマムシ?!―小さな怪物 (岩波 科学ライブラリー)