Sig’s Book Diary

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機内映画「I Am Legend」

original: http://blog.goo.ne.jp/sig_s/e/70dd6b0c575bb89248dcba4fbd35d73e

機内映画、最近はオンディマンドでたくさんの品揃えがあるから、なかなかいい。もちろん、内容が全部入っているかどうか知らないけれど。いくつか、ザッピング(映画でこれができるのは、なかなかよい)して、最後まで見たのが、標題の「I Am Legend」だった。ウィル・スミス主演で、伝染病で人類が死滅し、最後の生き残りの主人公ロバート・ネビルはどのように生きるのか、というのが大まかなあらすじ。

このテーマは魅力的なのだけれど、ちょっとどうかと思うところがあった。それは、伝染病は人類の大半の人口を絶滅させただけではなく、生き残った人類の一部をゾンビのような(夜間しか活動できない)存在に変えてしまっている。彼らが襲ってくる中、たったひとりの「人類」としていかに生きるかという話なのである。以前に見たことのある、「アポカリプス2」と類似なのだ。
彼は銃器をいつも持っていて、冒頭のシーンは車を使った鹿のハンティング(人類が死滅したニューヨークでは野生が甦っている)だった。しかし、この銃器は護身用なのだ。彼は、自分の家に立てこもっているが、それは夜間に襲ってくる、ゾンビのような存在から身を守ろうとするためなのだ。
彼は、医学者でゾンビを捕獲してこのウィルスの研究を続け、ワクチンを開発しようとしている。ところが、その試みはうまくいかない。しかし、ふとしたことで、生き残りの女性と子どもを見つける。彼らがめざしている生き残りたちの住むサンクチュアリなのだが、生き残るために彼らを向かわせるために、自爆攻撃で、彼らを救い、「ネビルは伝説となった」(これが、タイトル)訳である。

この映画は、まさに2001年のWTCへの自爆テロを踏まえていて、彼は、グラウンド・ゼロという言葉を連発し、そして、ゾンビまがいの「テロリスト?」と戦うのだ。しかし、そのことは、自爆攻撃によって伝説化されるのだ。読み方によってはだけれど、これは、原理主義原理主義の闘いとも見える。さらに、ゾンビたちを容赦なく射殺し、ひき殺し、爆殺する。敵にたいしては、情け容赦ないのである。

なんか、気が重くなる映画だった。ゾンビの描きかた、殺し方、救いは自己犠牲だけ、そして、自分の仲間だけが生き残るという、自己中心主義。

I Am Legend, 2007: http://www.imdb.com/title/tt0480249/