Sig’s Book Diary

関心本の収集

『ぼくはアメリカを学んだ』

original:

鎌田遵、2007、『ぼくはアメリカを学んだ』、岩波ジュニア新書

高校生のとき上海からリスボンまでユーラシア大陸横断の旅をし、その後、アメリカ南部、西部で先住民や移民について学んだ著者の高校生の時の旅立ちから現在に至るまでの体験を綴った好著。ジュニア新書のシリーズは、その名の通り「若い世代」を対象とするのだが、なかなか質が高い。

本書は、あまり触れられることのないアメリカの先住民や移民の社会の底辺の暮らしについて、体験に基づき記述されていて、大変貴重な記述となっている。本書で触れられる事柄は、決してジャーナリスティックな筆致ではなく(著者は帰国後テレビ局につとめたこともあるようだが)骨太な記述がみられる。ぜひ、「若い世代」に読んでもらい、いわゆる先進国の諸問題に関心を向けてもらいたいものだ。

ぼくはアメリカを学んだ (岩波ジュニア新書)

ぼくはアメリカを学んだ (岩波ジュニア新書)