Sig’s Book Diary

関心本の収集

『十の罪業 BLACK』

エド・マクベイン編、『十の罪業 BLACK』 、東京創元社(創元推理文庫)

今は亡き、エド・マクベイン編の中編ミステリー集。ジェフリー・ディーヴァーの「永遠」、スティーヴン・キングの「彼らが残したもの」、ジョイス・キャロル・オーツ「玉葱黍の乙女」、ウォルター・モズリィの「アーチボルト」、アン・ペリーの「人質」が収録されている。いずれもミステリのカテゴリーであるのかどうかは解らない。まあ、定義の問題ではあるが。
個人的には、ティーンエージの少女たちのなんとも曰く言い難いおどろおどろしい感情とあっけらかんと過去をすり抜けるたくましさ(主人公は、行き着くところまでいってしまうのだが)が描かれていて、面白く読んだ「玉葱黍の乙女」と北アイルランドカトリック系の「党」の指導者一家が人質になり、その家庭内や夫婦関係が洗われてくる「人質」とをお勧めとしてあげておきたい。

十の罪業 BLACK (創元推理文庫)

十の罪業 BLACK (創元推理文庫)