Sig’s Book Diary

関心本の収集

『博士の愛した数式』

original: http://blog.goo.ne.jp/sig_s/e/af4d276f6341eead75adf2b015bdd30f
小川 洋子、2003、『博士の愛した数式』、新潮社 (新潮文庫)

映画化され、先日もテレビ放送されたようだが、どちらも見逃している。先日たまたま本屋で立ち読みして、読んでみた。映画のウェブページがあるし、第一回本屋大賞受賞ということで、ストーリーなどは、あちこちにあるので、それには触れないことにする。
しかし一言。主人公の「博士」は、事故にあった年の1975年までの記憶はあるが、その後は、記憶が80分でリセットされてしまうので、80分を超えて記憶する必要のあることはメモに書いてジャケットに貼付けている。短期記憶障害は新たな人間関係を持続することは大変だ。「博士」は、それをメモとして書くという外部記憶に置き換えておくのだ。長期記憶されている行動様式と外部記憶が彼の行動を決める。限られた行動パターンの中でうまく人間関係を維持できた家政婦とその小学生の息子の物語。限られた時間と関係の中で特別な意味を持つのが、数学である。
いつものように、寝本にしたのだが、ちょっとまずかった。というのも、ストーリーも然り乍ら、数論や整数論のトピックが出てくるので、ついつい、素数を頭の中で思い浮かべてみたり、完全数友愛数の計算方法を考えてみたり、あるいは、1から10(派生して1から100など)の総和を計算する一般式を考えてみたりして、目が冴えてしまった。

追加:20090520
博士の愛した完全数と、秦氏の愛したメルセンヌ数(日本史・世界史) / ヒロさん日記:http://www.mypress.jp/v2_writers/hirosan/story/?story_id=1831927
博士の愛した数式http://f26.aaa.livedoor.jp/~akechan/DOCTOR/doctor.htm

博士の愛した数式 (新潮文庫)

博士の愛した数式 (新潮文庫)