Sig’s Book Diary

関心本の収集

韮山反射炉、江川邸、韮山郷土史料館

original: http://blog.goo.ne.jp/sig_s/e/cca1bad2c3d85572fe5bddc20b78e2b4

韮山反射炉は、幕末江戸の台場砲台の大砲を鋳造するために建設された。韮山代官であった江川英龍の建議によって建設されたので、韮山に建設された。産業革命で同様の構造をもつ反射炉はヨーロッパには現存せず、重要な産業遺産となっているのだそうだ。
江川邸は、韮山代官所の脇にたてられている代々代官職を世襲した江川太郎左衛門世襲名)の宿舎である。江川家は、中世にさかのぼる伊豆の豪族で、のちに北条早雲につかえた由緒ある家柄だそうで、北条氏の滅亡後も、引き続き徳川家に仕えた。幕府直轄領(天領)の代官は、世襲しないと思っていたが、韮山代官職は特別のものであったそうだ。住宅には1261年に伊東に配流された日蓮上人を宿泊させ、その際に、直筆の棟札を残したという。以来、700年火災にも遭わずに現存しているのだという。その事蹟にちなみ、大火にあった江戸城の再建の際に屋根材の一部を献上したのだとか。屋根構造大屋根の架構物の木組みは立派で、大きな屋根空間を支えている。
江川邸に併設されているのが韮山郷土史料館。この辺りの旧石器時代以来の遺物を展示するが、かといって、この地独特のものがあるまでもなく、結局は江川太郎左衛門家に、とりわけ、反射炉建設の建議をした英龍の存在に行き着くようだ。
江川邸は、当時の学者文化人としての英龍のもとに多くの有志の人々が集い、英龍から学ぼうとして、塾がつくられたようだ。玄関脇の一室がそれである。
ちょうど放映中のNHK大河ドラマ篤姫」の撮影の際、江川邸の玄関は、実家の今和泉島津家の玄関として想定されたのだそうだ。