Sig’s Book Diary

関心本の収集

漁業

「ブログ時評」氏が、マグロの漁獲規制に関連し「世界規模での漁業崩壊がみえてきた」と書いている。
漁業は基本は狩猟採集だから資源が漁獲量に比較して無限大の規模であるときにのみに成立する生業で、装置産業化された漁業や魚食人口の増加は、資源の過剰搾取に直結してしまう。農業のように環境から一見自由になったかに見える生業でも環境の影響(たとえば、気候変動)を避けることが困難であるのに、漁業は危険である。養殖が可能に見えても、結果的には局所的な環境破壊につながってしまう、あるいは、環境破壊を分散化してしまうことにしかならないだろう。
大昔、修士論文で漁村の網元の数の変動は漁獲量の変動と同じ波動であると言う意味のことを書いたことがあるが、調べた漁村は結構古くから大規模化した船団をくんでアジを狙う村だった。当時は、気づいていなかったが、こうした装置産業となった漁業は漁獲量が大きいので資源を搾取しやすく、漁獲量の変動をもろに影響を受けてしまうことによるものだっただろう。
トロが食べられなくなるぐらいなら、しょうがないかもしれないが、サカナという良質の蛋白源を根こそぎ失う愚は避けねばならない。養殖に期待するのか、はたまた、資源を過剰搾取しない漁獲手段を見出すか・・・。

ブログ時評:世界規模での漁業崩壊が見えてきた [ブログ時評69]:http://dando.exblog.jp/6064885