Sig’s Book Diary

関心本の収集

パワースポット

18年1月7日朝刊の日経新聞土曜版「NIKKEIプラス1」に「パワースポット」の記事があって、その記事によれば、その場に立つと「不思議な力が元気をくれる」場所としての「パワスポ」がブームであるという。
JTBの海外ハネムーンの集計によると、訪問先オーストラリアの世界二位は変わらないが、それまでグレートバリアリーフゴールドコーストシドニーを組み合わせた東海岸のツアーが主流であったが、「エアーズロック」が一位に躍り出た。「せかちゅう」のブームもあるがそれに加えて、「パワスポ」のブームもこれに加わっているという。世界の「パワスポ」で知られているのは、アリゾナ州セドナで、「ヒーリング」ブームもあわせて、注目を浴びる。この記事によれば「パワースポット」という言葉は、1970年代のヒッピーブームから派生した1980年代のニューエイジ系文化人が使い始めたのだそうだ。
オルタナティブ・ツーリズムのひとつとして「文明以前の「先住民」の文化や「大地」「宇宙」などむき出しの自然。知識や頭より、五感や心に直接働きかける魅力が肝になっている」。そして、日本でも奈良県天川村天河神社などがそれとして注目を浴びているという。中沢新一の「アースダイバー」も紹介し、最近の女性雑誌などにも特集がある。記者はグーグルで検索するなどして、「自分にとってのパワースポット」を見つけ出そうというサイトを見つけ出し、記事はマイ・パワスポを見つけようと結んでいる。たまたまだが、手元にあるクレジットカード会社が発行する「NEO」1・2月号にもセドナの特集があって、セドナ付近の赤い岩山には「ボルテックス」なるヒーリング物質を出しているのだそうだ。それが、パワースポットのパワースポットらしいところということか。
「癒し」ブームは世界を駆け巡る。「NEO」の記事の一部にも、ヒーリング音楽の奏者が紹介されているが、かれは、オーストラリア先住民の楽器のひとつディジャリドゥの名手でもあるという。これも、たんなるオリエンタリズムのバリエーションであるか。「文明」のストレスを「癒す」ために「自然」の力があふれる「パワースポット」にでかけようというのか。