Sig’s Book Diary

関心本の収集

奈良について

最近、奈良の実家に帰るたびに思うことは、どんどん風景が変わっているということ。
たとえば、平城京の史跡公園もだただだっ広い広場だったものが発掘が進むにつれて、奇妙な小柱が立てられて建物のありかを示そうとしたり、南大門だ、太極殿だと復元がされたりする。これって、いいのか悪いのか。わたしは、むしろ反対なのだけれど。
大きな通り沿いのファミリーレストランやコンビニ、ショッピングセンター。これらができたおかげで便利極まりなくなったのだけれど、これって奈良?どこでも同じ風景になってゆく。ファミレスの屋根越しに若草山や大仏殿が見えるというのは、どうなのよ!
そういう私の実家も、奈良県京都府の県境近くの新興住宅地(といっても開発されて30数年たっている)なので、景観を破壊した(おそらくは、雑木林だっただろう)には違いない。
人間が生活するということは、景観を作り変えていくことだということはわかっていても、それでいいのかと、ふと思ってしまう。景観を大幅に作り変えるほどパワフルになったのは歴史的に見てもごく新しく、このまま行くと、過去の文明のように環境破壊をして人間社会は崩壊していくのだろうが、それにしても、人間が大量絶滅させた生物たちはよみがえるわけもないし、大規模土木工事で破壊した野山は、いたって不自然な起伏を長く歴史に刻んでいくだろう。